脱水は、体液中の水分・ナトリウムの損失に関係して
大きくは次のように分けられます。
1 主に水分が減る「水欠乏性脱水」
原因: 水分摂取不足、大量の発汗、利尿薬の服用、
病気で食事が摂れないなど
主な症状: 強いのどの渇き、発熱、尿量減少、舌の乾き、
皮膚のハリ低下など
2 水分よりもナトリウムイオンが減る「ナトリウム欠乏性脱水」
原因: 高温下での作業や激しい運動などによる大量発汗の際に水だけを大量補給すると起こる
主な症状: のどの渇きは少ない、頭痛、嘔吐、だるさ、意識障害など
3 水とナトリウムイオンの両方が減る「混合性脱水」
原因: 下痢や嘔吐、熱傷などで体液が一気に失われた時に起こりやすい
主な症状: のどの渇きがあるため、水分の多量摂取により低張性脱水になりやすい
いずれも共通して血圧低下や頻脈などの症状が出ることがあり、
重症化すると、熱中症への移行、昏睡やショックなど危険な状態に陥ります。
ごく軽い脱水の場合には、経口補水液などの摂取で改善することもありますが、
症状や重症度によっては点滴による輸液が必要となります。
脱水を予防するには、一般的な成人では食事を含めて
少なくても1日2.5リットル以上の水分補給が必要といわれています。
マスク着用などの感染対策で平年よりもさらに発汗や不快感が強いこの季節、
こまめに水分・電解質を補給して脱水・熱中症を予防しましょう。
看護師 上原